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どれをとっても決して安くはないであろう調度品が、計算されたようにキッチリと配置してある。
そんな広くはない一室で、ソファーから身を乗り出さんばかりに話をしている男がいる。
その男は、高そうではあるが良く見ると汗とその汗が粉になった部分とで新たな模様を形成しつつある濃紺の既製スーツに身を固めた、50代にそろそろ差し掛かろうかという風体(フウテイ)である。
その男は、先ほどから、とにかく口と、額の汗を拭く手とをせわしなくセッセと動かし続けている。
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