夢の行き先

3/5
前へ
/56ページ
次へ
「…ぼ…う…。…相棒…。」 「ぅ…んっ…。」 遠くから聞こえてくる<遊戯>の声にさっきまで包まれていた 靄のようなものが一斉に晴れていく。 重い目蓋をゆっくり開くと、目の前には満足そうに 微笑んだ<遊戯>の顔。 「やっと起きたか?もう昼になるぜ。」 愛おしそうに寄せられる眼差しと、さらさらと 髪を梳く手に鼓動が上がる。 …あぁ、そっか…。 あれは夢だったんだと気付く。 その居心地の良さを感じた原因が分かって染まった頬を 隠すように、<遊戯>の胸に顔を埋める。 「どうした?」 普段こんな甘えるような態度をとる事が無い遊戯の仕草に、 不思議に思ってつい聞いてしまう。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加