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「夢を…、見てたんだ。」
顔を埋めたまま、ポツリと呟き始めた遊戯に耳を傾ける。
「暖かくてふわふわして、気持ちいい夢だったんだ。」
「何の夢を見てたんだよ。」
如何にも不機嫌そうな声が掛かって、それにクスッと笑いを
漏らすと、眉を寄せる。
「なんだよ。」
「もうひとりのボク、もしかしてヤキモチ妬いてるの?」
<遊戯>を見上げてにっこりと笑うと、拗ねたように遊戯から視線を逸らせる。
「オレ以外に相棒をそんな気にさせるのなんて許せないだろ。」
<遊戯>の言葉に一瞬呆れた顔をして次の瞬間、吹き出すようにして笑うと、
そんな遊戯にますます眉間に皺を寄せて遊戯を見る。
「なんだよ。そんなに笑うことないだろ?」
「だ…だってキミ、あはははは。」
笑いすぎて目尻に浮かんだ涙を拭うと、<遊戯>に視線を合わせて話し出す。
「あのね、キミを感じられたから、そんな夢を見たんだよ?
もうひとりのボクの暖かさを感じられたから…。
こうやって、一緒に居るから…。」
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