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遊戯の言葉に呆気に取られた顔をしていると、笑顔のままで続けて話す。
「なのにキミってば、自分にヤキモチ妬いてるんだもん。可笑しくってさ。」
「そんな話、聞いてないんだから仕方ないだろ?」
むくれてつい言い返してしまう。
「ボクがキミ以外にこんな気持ち、もつ訳無いでしょ。
ボクの気持ち、信じてくれてないの?」
上目遣いでそう言えば、困ったような顔をした<遊戯>の視線が絡む。
「そんな訳ないだろ。相棒があんまりオレをからかうから…。」
「じゃ、機嫌治してよ。笑ったことは謝るから。ね。」
遊戯にそう言われては<遊戯>としても、いつまでも拗ねてるわけにもいかない。
自分の夢を見て、そんな事を思ってくれているという気持ちが嬉しいから。
ふわりと遊戯を抱き締めて、額に軽くキスを落とす。
「今日は天気も良いから、外で食べようぜ。」
「うん。」
あの夢の中ような、優しくて暖かい<遊戯>に包まれて、心地好さを感じる。
でも、これは夢じゃない。
夢はいつか醒めてしまうけど、現実のこの感覚は醒めることはないから。
この先もずっと…。
―夢の行き先(完)―
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