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「お互い様だな。」
「お互い様だね。」
睫毛が触れるほど近い距離で微笑みあってクスッと笑い声が漏れる。
どちらともなく軽く触れてすぐに離れるキスに、物足りなさを感じて、また奥から熱が上がる。
「雨はあまり好きじゃないけどさ…。」
「ん?」
息が掛かるぐらいの至近距離でポツリと話しだす遊戯を見つめ返すと
潤みかけた瞳の奥に欲望の色を感じて、あえてギリギリのラインを眺める。
「もうひとりのボクと一緒に居れば、気にならないね。」
そう言って自ら求めてくる仕草に、満足気に笑みを深くして答える。
「珍しいな、どうした?」
話をはぐらかす様にまたすぐに離れると、少し怒った風に<遊戯>を睨め付ける。
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