82人が本棚に入れています
本棚に追加
ただ一人の…、唯一のこの人との誓いを果たすために。
願いは同じ。
『永遠に共に…。』
想いは同じ。
『ずっと…傍に…。』
これから先も変わることのない願いと共に。
握り締めるように繋いだ手をそっと離して、抱き締める。
規則正しく聞こえてくる心音、抱き締められて感じる暖かさが心地良い。
「もう、ボクを置いていかないで…。」
「何処にも行かない。ずっと…相棒の傍に居る。」
<遊戯>の背中に回した腕に力が入る。
消えてしまわないように、縋り付くように。
それでも、不安は拭い切れなくて、止めどなく溢れる涙を<遊戯>のシャツが吸い込んでいく。
ふわりと、まるで宥めるように頭を撫でられて、少し落ち着く。
「ごめん…。もう、大丈夫だから。」
体を離して、<遊戯>を見上げ苦笑いを浮かべる。
「せっかくキミが戻ってきてくれたのにボク、泣いてばかりだね。」
「オレが居るから、安心して泣けるんだろ?」
優しい笑みを浮かべて、まだ残る涙を唇で拭い取る。
<遊戯>のその仕草に照れながら、視線を彷徨わせる。
最初のコメントを投稿しよう!