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いつでも、気付かれたくない事は<遊戯>にお見通しで…。
「相棒の方が体温高いのにな。オレじゃ湯たんぽにもならないぜ。」
そう言いながらも、嬉しそうに笑うから、本当はそれが原因だとは思っていないんだろう。
「…どうせボクは子供だよ。」
上目遣いで睨むように<遊戯>を見ても、ますます笑みを深くするばかりで、ちっとも効果が無い。
「一緒に居るから寝ろよ。朝起きれなくなるぜ。」
ベッドに下ろされ、ふわりと抱き締められて、途端に落ち着き無く鼓動が暴れだす。
優しく頭を撫でられて、近い顔に、紅い瞳に囚われるように視線が外せない。
「…そんな目でオレを見るなよ。襲いたくなるだろ。」
「っな…、何言ってんだよ!」
一体<遊戯>にはどういった目に映っていたのか…。
聞けば墓穴を掘る羽目になるだろう事も、おとなしく寝かせてくれないだろう事も、予想が付いてしまって、それから逃れるように背を向けて布団を被る。
背後からクスクスと笑う声が聞こえる。
「相棒…。」
耳元で囁くように呼ばれて、ピクリと反応する自身を恨めしく思う。
「…っ!だ…だめだからねっ!」
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