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とある世界。
僕の世界は静寂に包まれていた。
自分達の他に音をたてる者などいない。
後ろを歩く今まで旅を共にしてきた仲間達の足音、疲れと緊張からなのか、わずかに荒い吐息。
そして腰に差している長剣と、白銀のプレートメイルがこすれて立てる金属音。
その音だけが、この洞窟を支配していた…
洞窟の中は暗く、奥のほうをみると、何者でも飲み込んでしまいそうな暗黒に満ちている。
かろうじて、自分がかかげている、たいまつの炎焔によってあたりが照らし出される。
「…感じるか…?この気配」
緊張した仲間の声。
「…あぁ……。さっきからな…」
気付かないわけがない。この息が詰まりそうな洞窟の中で、自分達進もうとしている先に居る者の気配だ…。
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