文字と尊敬と恋心/三川

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なのに。すっげぇ衝撃。爆弾?ダイナマイトかプラスチックかニトロでも全然OK。 雷?感電死しかけた。 しかも二回。 一回目は。三年に上がって、暫く経った放課後の教室。 俺はその日、突然クラブ活動が中止になって久し振りに居残りをしていた。 補習を食らった豊と、『内職』(あいつ俺の情報で稼いでるんだゼ?)にお客様を回る飯島を待つついで、久々にプログラムを組んでいた。勿論強力なコンピューターウィルスを。 ハッキングソフト『ザ・サードマン』の改良。 これが中々楽しい。結構調子よくボコボコ簡単に強力化していった。 このまま行けば政府の中央演算処理センターのコンピューター位なら簡単に破壊出来るんじゃないか?それ位強力なのが俺の手で組まれていく。 返されたヤバイ点数の刻まれたテスト裏って言うのは格好つかないが、そこはアイキョウ。 ……けどさ。上手くはいかないんだな。そーゆーノリの時は。 肝心な所で手は止まった。 前半は出来た。後半も出来た。……なのに、前半と後半をつなぐ『要』の部分が出来ない。こう、何を当てはめても、前半か後半かがぶっ壊れ意味をなさなくしてしまう。 前半も後半も『完璧』なのに。ある意味グレイト。 「………」 ド壷にはまった気分で、俺は教室を後にした。 いや、帰らなかったぜ?気分治しにトイレに行っただけ。とにかく、愛用のシャーペンと、歴史のテストに殴った出来損ないのプログラムを残して俺はそこを後にした。 そんなもの置いといて平気なのか? そんな心配はない。これが分かる教師なんて早々いないな。 ……言って置くが、俺の字が汚いから分からないんじゃなくて、そう一般人に分かる様な物は組んでいないって事。 その数分後だった。俺が衝撃を食らったのは。
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