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夏の暑い日、五十嵐時雨は自転車にまたがり猛スピードで図書館へ向っていた。
「太陽がここまで嫌いになるのは初めてだ」
彼は、高校2年の薄い茶色の髪、瞳は藍色、空をボーッと眺めるのが好きな極々普通の男子生徒だ。
「三國志…誰かに借りられてないと良いけど…」
ボソッと独り言を言って自転車を走らせていると、車道に転がったボールを取りに子供がすぐそこに車が来ている事に気付かず車道に駆けて行った。
「おいおい、嘘だろ!?あのガキ!」
慌てて自転車を降り子供を助けようと車道へ飛び出し間に合わないと察して彼は、子供を向こう側の歩道へと突き飛ばし、時雨は車に轢かれた。薄れゆく意識の中、救急車を呼ぶ低い声と周りの人が騒つく声を聞き彼は意識を失った。
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