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意識を取り戻したのは、翌日の夜だったのだが何故か彼の家族や友達が泣いていた。
(俺、元気なのに…何処も痛くないのに…どうして泣いてるんだよ)周囲を見渡すと自分の姿が見える事に気が付いた。
「そう、大正解♪お前は死んだんだよ」
後ろから声に驚き振り返るとそこには、大きな鎌を持ち白いポンチョを着た黒髪青目の19歳くらいの男が立っていた。
「お前…何者だ?」
時雨は、苛立ちと困惑の表情を浮かべて男に問う。
「まあまあ、そう怖い顔をするなよ♪俺は死神ってやつだ。名前は響、でお前は昨日子供を助けようと車道へ飛び出し轢かれてそのまま仏さんになって、今ここに居るわけ♪あの子はあの時死なずにかすり傷ですむ予定だったんだ…いわゆる無駄死にってやつだ。俺の仕事を増やしやがって」
ブツブツ文句を言う死神と名乗った彼を見ながら、お人好しが仇になったかと自分の性格を時雨は悔やんだ。
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