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…乳がん。
それが母の出された病名だった。
幸い転移などは見られず、胸部を切り取る手術ですむという。
母はすっかり気を落としてしまっていた。
「もう死んでしまうんだろうか?」
母はすっかり取り乱していた。
親戚や友人、みんなに連絡をして、きてもらったりしていた。
私もバイトをやめ、入院中の母の元へと通った。
私は不思議と不安感はなかった。
「大丈夫。すぐによくなるよ。」
なぜか余裕の私の言葉にも母は耳をかさず、
「何いってるのよ、癌なのよ!」
母は一人、戦意喪失状態だった。
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