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『雄ちゃん…お待たせ…』
桜華は走って来たためか息を切らした様子で、途切れ途切れに話ている。
『え…桜華何で…』
突然の事に驚いた雄太は目を見開き呆気にとられ彼女を見た。
『何でって、今日会う約束したでしょ?何よ~遅れたから必死に走って来たのに!!』
目の前の彼女は表情をコロコロと変えながら話している。
『桜華…ホントに…お前か?』
いまだに何が起きたのか、まだ理解が出来ない様子の雄太に桜華は言う。
『もぅ…雄ちゃん意味分かんない事言わないでよ~』
そう言って桜華はクスクスと笑い始めた。
(桜華が…俺の目の前で…笑ってる…)
雄太は咄嗟に桜華の手を掴み引き寄せ力一杯抱締めた。
『ちょ…雄ちゃん苦しいよぉ』
桜華は苦しそうに雄太の胸の中でもがいている…
『あ、ご…ごめん』
『もぉ…変な雄ちゃん』
そう言ってクスクス笑う桜華を抱締めたまま雄太は言った…
『桜華…もう何処にも行くな…
ずっと…ずっと俺の側に居てくれ…』
『雄ちゃん…うん…側にいるよ』
2人はそのまま少しの間桜の木の下にいた…
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