始りの朝

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    ―次の日―   AM8:00   『…眠れなかった』   昨日約束したが、桜華がホントに来るか心配だった雄太は眠れずに朝を迎えた…   『何で…昨日無理にでも、連れて来なかったんだ…』   今更そんな事を言ってもどうしようも無いのだが、そう言わずにはいられなかった。   あの時、会うと約束したあの日も、彼女と指きりをした…   だが…彼女は来なかった。   でも、2度と会えないと思っていた彼女に会えた昨日…   手を離すべきではなかったのかもしれないと雄太は頭を抱えた。   『何で、あんな簡単に諦めたんだ…』   そう呟いたその時   ピーン ポーン   静かな部屋の中にインターホンの音が響いた。   『…桜華!!』   雄太は慌てて玄関の扉を開けた。   ガチャ   『おはよう、雄ちゃん ちょっと早かったかな?』   大きな荷物を持って微笑む桜華が目の前に立っていた。   『馬鹿…おせぇよ』   雄太は嬉しくて、泣きそうになるのを堪えて言った。   『なっ!!ひどぉい!!これでも、早く来たつもりなんだからぁ~!!』   頬を膨ませ怒る桜華を見て、安心した雄太は『ごめんごめん』と謝りながら笑った。   『笑ってないで、荷物運んでよ!馬鹿雄太!!』   『はいはい、分かりましたよ』   クスクスと笑いながら、桜華の荷物を持ち上げようとしたが   『って、重っ!!何入ってんだよ;』   『だってぇ…雄ちゃんにご飯とか作ってあげたくて…色々道具持って来たんだもん』   『桜華…そっか、サンキュー♪まぁ、入れよ』   『うん♪おじゃましまぁ~す!』   『おじゃまされます』   笑顔でくだらない事を言いながら部屋に入って行く雄太の背中を見て桜華は寂しそうに笑った…  
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