夏休みの始まりは衝撃

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朝も早くから私は忙しかった。 ……わけでもなく、十時に出るからと、八時にママに起こされ、ゆっくり朝食をとったのち、支度ものんびり。 昨日のうちから、急がないからと伝えられてはいたものの、本当にこんなゆっくりでいいのだろうか。そう不安になるくらいだった。 まあ私が焦ったところで、本人が気にしてないのだから、それでいいのだろうけど。 朝食後に、気に入ってる白のワンピに裾の短い上着を着て、セミロングの髪を軽く二つに結んだ。 これで準備は終了。 ママの格好は至ってシンプルだった。 ジーンズに開襟のシャツという出で立ちにも関わらず、その美貌は褪せることがない。 ……我が親ながらちょっぴり憎らしいかも。 「それじゃあ行きましょーか♪ あ、靴は履かないで持って来てね」 と、私の気も知らず元気よくママが向かったのは……。 ……家の中の物置でした……。 通称、開けずの間。 「さぁ行くわよー」 「……あの、質問」 控え目に私は問い掛けた。 「なぁに?」 「今から親戚の家行くんだよね?」 ママは頷く。 「何で、物置?」 私の顔にはクエスチョンマークが沢山浮かんでいたに違いない。
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