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「いや。
確かに、雪崩が起きたということは報告したが、『誰かが雪崩に巻き込まれていた』とは報告していない。
『誰かが雪崩に巻き込まれたかもしれない』と報告した。」
「! …なんでそんなことを?」
「なぜかって?
……じゃあ、逆に聞くが…」
そこで、レイヴァンは少し何か考え、そして 決心したように言った。
「…お前、老山龍 って知ってるか?
いや、お前なら知っているハズだ。
その老山龍なんだが……、
どのくらい強いんだ?」
「!? ……な、何をいきなり…」
「ビート・ブライト。
俺の記憶が正しければ、お前は 一年前に、街を 生ける天災から救った、鳥竜四人衆と呼ばれる四人組の中の一人、狩猟笛使いのビート・ブライト、のハズだ。」
「!」
「……当たっていたようだな。」
声には出さないが、ビートの 意表を突かれたような顔を見て、レイヴァンは確信した。
「……けど、それと 俺がここにいるのと、何の関係があるんだ?」
「……………」
「……?」
レイヴァンは黙ったまま囲炉裏の中で燃える火を凝視している。
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