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「雪崩に巻き込まれたときに、うっかり手放しちゃったんじゃないか?」
「…ってことは、雪山に…」
はぁ、と 大きな溜め息をついてうなだれるビート。
「それなら、お前が街へ行っている間に 俺が捜しといてやろうか?」
「……え?」
「依頼の途中や合間にでも捜しておいてやるよ。」
「…いいのか?」
「ああ。
俺だって、お前に面倒な仕事を押し付けてしまっていることだし。」
「……じゃあ、頼んだ。」
「任せろ。
それより、早く準備を済ませないと、馬車に乗り遅れるぞ。
この村に来る馬車は少ないから、乗り遅れたら 次のやつに乗るまで 十日は 待たなきゃいけなくなるぞ。」
「あ、おぅ。わかった。」
ビートは慌てて地下室に戻り、自分が持っていた物全てを抱えて 別の風呂敷の上に置く。
(…この防具は……、
置いていこう。
俺が誰かバレたら面倒だ…。)
正体がバレれば、ギルドから呼ばれ、自分の村に戻るように言われるだろう。
そうなれば、レイヴァンの力になることはできなくなる。
ビートは ふと、自分の仲間達のことを思い出した。
皆 無事なのだろうか、と。
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