小さな村の探求者

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「気をつけて行けよ。」 馬車に乗り込もうとしているビートに、レイヴァンは別れの挨拶をした。 「ああ。 待ってろよ。いいハンターを見つけて来てやるからな。」 そう言い、防具を装着した手の親指を立てて見せる。 今、ビートが装備している防具は、以前レイヴァンが使っていたもので、頭には 沼地や火山に現れる甲殻種 ショウグンギザミ の素材を使った『ギザミヘルム』、胴と腕は 桃毛獣 ババコンガ の上位素材を使った『コンガSメイル』と『コンガSアーム』、腰と脚には 雪山や沼地に現れる盲目の飛竜 フルフルの素材から作られた『フルフルフォールド』と『フルフルグリーヴ』を装備している。 端から見れば 盗賊のような格好だったが、ビートの体に合うサイズのものを選んできたため、この装備で行くしかなかった。 「おっさん、出発してくれ。」 「あいよ!」 馬車の運転手は馬を進ませ、馬車はゆっくりと動き出した。 クロース村の希望と、一人の男の夢を乗せて。
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