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「ああ。
ここにある素材は全部、クロース村が管理する狩場で採れるものばかりだよ!」
「…クロース村?
……聞いたことがない名前ですが、それは何処にあるんですか?」
「そうだな、フラヒヤ山脈の麓、ポッケ村の近く、と言えばわかるか?」
「ポッケ村なら聞いたことがあります。
…しかし、あの付近でこんな上質なものが採れるなんて……。」
青年が他の素材を熱心に見る様子を見ながら、ビートは一人、うまくいった、と思った。
素材を売るだけがビートの狙いではなく、上質な素材を売り、一人でも多くのハンターに クロース村に興味を持たせ、そこを拠点にしないか、と交渉することが目的だった。
また、素材を売れば、それだけお金が貯まり、溜ったお金でハンターを雇うことも、できなくはなかった。
「…ん? これは…」
青年は何かを手に取った。
それは、例の鋼鉄のような質感の鱗。
まるで 鑑定士が 掘り出し物を調べるように、青年は それを様々な角度から見たり、日光に当てたり、腕用防具を外し 素手で触れたりし、そして、言った。
「…クロース村に、空き家はありませんか?」
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