プロローグ

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「うわ……、なんてこった…。」 依頼でフルフルを狩りに来ていたレイヴァン・ヴィガーは、目の前の光景に驚いた。 一時間ほど前には馬車が余裕で通れるくらいの幅の道が続いていたトンネルが、大量の雪に埋もれて塞がってしまっていたのだ。 (…雪崩でもあったのか…? …いや、それしかないか…。 ついさっき、地響きのようなものがあったしな…。) はぁ、と 白い溜め息を吐く。 (……頑張って掘るか…。 …いや、ここが通れるようになったとしても、トンネルの向こう側も埋まっていたら意味がないな…。 …仕方ない、他の道を探すか…。) もう一度 深い溜め息をつき、今 来た道を戻ろうと、背中に提げている槍と胴用防具の背中の部分が当たる カチャカチャという音をさせながら振り返った。 (……ん?) 蒼い色をした頭用防具に隠れている耳が、風が吹く音 以外の何かの音を捉えた。 それは、音というよりは むしろ鳴き声に近いもの、否、何かの鳴き声だった。
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