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「…四人か…。
一つの家に収まりきるか…?」
そう呟いたのは、村長の後ろに立ち、腕を組んで難しそうな顔をする男。
たくましい体つきに短髪で、歳は見たところ四十歳くらいだろうか。
「そういえば、ビートも知らなかったな。
この人は、この村の酒場を経営するおっさんだ。
名前は………」
言葉を切り、レイヴァンはその男の顔を覗く。
「…ん?
ああ、『酒場のおっさん』、もしくは『マスター』と読んでくれ。」
(? …本名を明かせない事情でもあるのか?)
疑問を持ったが、訊かないことにした。
「話を戻すが、どうする?」
「あぁ、空き家は一軒だけだったな…。」
「……いや、四人じゃなくて三人じゃないのか?」
レイヴァンは不思議そうな顔をする。
「俺とビートはすぐ出発するから…」
「何言ってんだ。
新入り共にここでの狩人としての生活の仕方を誰が教えてやるってんだ。」
「うむ、それに、ビートも長旅で疲れてはおらぬか?」
おっさん、村長がそれぞれの意見を述べる。
レイヴァンは少し考え、納得したようだ。
少し残念そうだったのは、気のせいだろうか。
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