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「立ち話もアレだから、俺はとりあえず例の空き家にあいつらを連れて行く。」
おっさんはドンドルマから来た狩人達の方を向き、何やら説明しだした。
「……ビートや、お主はよくやってくれたのう。」
空き家へと向かう一団の後ろ姿を見ながら、村長はビートに話しかけてきた。
「いえいえ、そんな。」
「お主のやってくれたことは後に、きっとこの村を繁栄させてくれるじゃろう。
本当にありがとう。」
「どういたしまして。」
「ビート、俺はあいつらに色々と教えに行かなきゃいけねぇから、先に家に帰っててくれ。」
「ああ、わかった。」
レイヴァン達とビートは一度別れ、ビートは一人、レイヴァンの家への道を歩いていった。
「…さて、ワシも帰るかのぅ。」
残った村長も、杖をつきながらひょこひょこと自宅への帰路を歩きだした。
村長が通った道には、左足の靴の跡と、杖の跡と、義足の跡が残っていた。
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