17人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ああ。そうだ。」
そう言うと、レイヴァンはポケットから薄い何かを取り出し、寝ている彼の目の前に置いた。
「…『ビート・ブライト』…。
これ、お前のものだろう?」
綺麗な青い光沢をもつそれは、
金属でできた一枚のカード。
ギルドカードと呼ばれるそれは、ハンターにとっての 言わば名刺である。
それには、これまでの狩りの記録や ハンターの腕前を表すハンターランク、得意な武器などが記され、ギルドではこれを用いて そのハンターが請けることのできる依頼を見極め、依頼するのである。
「お前の持ち物の中にあった。
お前もハンターなんだな。」
レイヴァンは、自分が助けた 目の前の男、ビート・ブライトを 繁々と眺めた。
茶色い瞳、くっきりして 力強そうな顔立ち、茶色い短めの髪…。
(……俺の記憶が正しければ………この男、例の…)
「なあ、レイヴァン。」
何やら考え事をしていたレイヴァンは、ビートの呼びかけに応える。
「何だ?」
「…ギルドに報告した って言ってたけど、なんで俺はこんなとこにいるんだ?
普通、狩場での怪我人とかはギルドで保護されるハズだろ?」
最初のコメントを投稿しよう!