18人が本棚に入れています
本棚に追加
私を黙って見下ろすお母さんを、私はいやだなと思ってしまった。
だってお母さん……
とっても怖い顔してるから。
「お母さ……」
「……あなたが」
お母さんがゆっくり私に両手を伸ばす。
「なんであなたが生きてるの……!?」
大好きな白い手が、私の首を力いっぱい掴んで、私は息苦しくなる。
「何で車にひかれたのがあなたじゃないの!?」
(お母さん。)
苦しいよ……
声が出ない。
お母さんの手の力がどんどん強くなる。
「何で……」
私の顔にぴちゃん、と雨が降ってきた。
お母さんの目から、何度も。何度も。
「なんであなたが死ななかったの!!」
あぁ……
悪いのは私なんだね?
だからこれは、お仕置きなんだね?
お母さん……
ごめんなさい。
お父さんを、壊して……
ごめんなさい。
最初のコメントを投稿しよう!