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お医者さんと看護婦さんがお母さんを私から離す。
お母さんはまるで赤ちゃんみたいに泣いて、私の首を掴みたくて、じたばたしてた。
お母さんが私の首を掴んで、お人形みたいに引っこ抜いて……それでまた笑ってくれるならそれでいい。
そう思ったのに私の体は勝手に動いて、慌ててた看護婦さんをドンって押して。
裸足のまま病院を飛び出してしまった。
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苦しくて苦しくて、ドロドロの土の上に座り込んでしまった。
――また怒られちゃう…
そんな事を思いながら周りを見回す。
そこは、あまり見覚えのない小さな公園だった。
この土砂降りのなか、さすがに誰も遊んでないみたい。
大きく息を吸って、吐く。
息苦しいのが少しだけ良くなった。
ふと下を向くと、水たまりの中に、びしゃびしゃの茶色くて長い髪をした女の子が、今にも泣き出しそうな顔でこっちを見ていた。
「……泣いちゃダメ。 悪いことをしたのはあなたなんだよ」
私はそう女の子に言う。だけど女の子はますます悲しそうな顔をした。
「……ダメだってば!」
だって悪いのは……
「私なのに……」
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