2話 動物キング

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俺が帰ろうと鞄を持つと、義人はそれを拒むように大声を張り上げた。 「なんでだよ?もう最強の動物がわかったんだからいいじゃねぇか…。何が不満なんだウンコマン」 「ウンコマン言うな!!最強の動物の他に最弱の動物も知りたいんだよ!!」 また面倒くせぇことを言い始めたよコイツは…。 「知るかっ!アニ藤と語り合ってろ」 俺は義人にそう吐き捨てると、教室の扉に手を掛ける。 「説也、アンタ今日掃除当番でしょ。サボる気?」 すると、怒気を含んだ声で後ろから令美が話し掛けてきた。その両手には箒を持っている。 「いや、今日俺じゃねぇし。義人だし」 「嘘付くな!!俺、昨日やったよ!!」 「あからさまな嘘ついてんじゃないわよ!出席簿順でいくと、女子は私で男子はアンタなんだから言い逃れできないわよ!」 令美はすぐさま俺の腕を掴むと箒を無理矢理に持たせた。 「ちっ、わかったよやればいいんだろ…」 観念した俺は乱暴に箒で床を掃き始める。 「始めから素直にやりなさいよ…ったく」 呆れながら令美が呟く。 「終わったぞ」 俺はその辺を適当に掃いて、ものの十秒で掃除を終わらせた。 ン~、我ながらスピーディー。 「嘘つけコラ!!全部隅々まで掃いてないでしょうが!!」 「いいじゃねぇか面倒くせぇ。後はそこに寝てるゴリオとアニ藤と義人がやるとよ」 「いや、やらねーよ!?人に押しつけんなよ!!」 「そうだよ、説也君!当番は君だろ!」 「………………ウホ」 俺の言葉に各々反応する動物オタク達。(約一名は気絶中) 「わかったよ。義人、とりあえずトイレ行ってくるから箒持ってて」 「えっ、うん」 何も知らずに箒を持つ義人…。 かかったな。
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