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「じゃあな」
俺はすぐさま鞄を持って駆け出した。
「あっ!!説也テメー嘘か!?」
「逃げるなコラ!!」
しかし、義人と令美もすぐに追いかけてくる。
「待て説也!!」
「止まりなさいよ!!」
「そこはかとなくイヤだね!!」
俺はそんな言葉を吐き捨ながら教室を出て、廊下を走った。
あれだけ動物オタク共の話を聞いてやったんだ…。
残りの時間くらい好きにさせてくれ。
タン、タン、タターン!!
そんなことを思いながら階段を二段くらい抜かして踊場まで掛け降りて上を見上げた。
「畜生!!負けるか!!」
負けじと義人も二段抜かして階段を駆け降りるが…。
タン、タン、ボギッ!!
「ぎゃあああああああああああぁ!!」
途中で思い切り着地をミスって足を捻っていた。
なんつーか、有り得ない位足首が曲がっている。
ズダーンッ!!
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…!!
「ぎゃあああああああああああぁああああ!!ぐげぇええおあああ!!」
そしてそのまま体制を崩して階段を転げ落ちる義人…。
その悲鳴は有り得ない程おぞましかった。
ゴロリ…。
「うわっ…」
そのまま踊場まで転げ落ちた義人は、俺の足下で血だるまと化して気絶していた。
鼻と口からはどす黒い血を流している…。
「……えぇ~?」
あまりに壮絶な光景を見て立ち尽くす俺…。
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