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「……うわぁ」
令美は階段の上から今の光景を見ていたのか、思わずそんな声を上げていた。
「……とりあえず、救急車呼ぶか」
「ええ…。そうね」
足下で痙攣している義人を病気に送る為、追いかけっこが強制終了となったのは言うまでもない。
次の日…。
「オッス、説也!!」
「………えぇ?」
教室に入ると、昨日瀕死の重体に立たされた義人が、ちゃっかり席に座っていた。
全身包帯まみれだ。
「お前良く学校来たな…普通休むだろ。ってか、入院したんじゃなかったのか?」
昨日、義人が気絶した後…とりあえず救急車を呼んで病院へ搬送した。
俺と令美も一応付き添って病院へ行った時、医者に全治1ヶ月の重傷だとか言われたんだが…。
「いや、なんかもうほとんど治った。包帯巻いてるけど多分取っても大丈夫っぽい…。今朝退院した」
「はあ!?」
どんだけタフ!?
「生命の神秘だね」
「コイツはゴリラよりタフかもしれんウホ…」
アニ藤とゴリオも義人の回復力を垣間見て感服していた。
てか、ゴリオの語尾ウゼェ…。
何気に気に入ってやがる…。
「馬鹿な分生命力は半端ないわね…」
令美も呆れながらそう呟く。
「ゴキブリ以上の生命力だな…。頼むから繁殖するなよキモいから」
「俺は害虫扱いですか!?」
ある意味地上で最強の動物は義人なのかもしれない…。
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