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悪夢のような現実を受け入れざるを得なくなって、早いもので二週間近く経っていた。
部屋らしさのカケラもなかった一室は壁際にタンスや机が置かれ、もうずっと前からそこにあったように馴染んでいた。
ダークトーンで統一された直人の部屋と、淡いベージュで統一された真実の部屋は対象的。
直人がそれを見たのは、片づけを手伝った時だけで、それ以来、見ていない。
真実の希望通り、部屋の内側にはしっかりと鍵がつけられ、直人にとって開かずの間と化している。
これ以上、事をややこしくしたくないし、一緒に住みはじめたといっても、恋人として迎え入れた訳ではない。
必要以上に親しくする理由もなければ、親しくしない理由もない。
唯一、テレビとソファー、ジャズや洋楽のCDをびっしりと並べた棚とコンポを置いたリビングだけが、共同スペースだ。
ニ、三日目までは受け入れられない気持ちの方が強く、互いに顔を合わせるたびに、あーでもないこーでもないと喧嘩もしたけれど、一週間も経つと、それにも飽きて会話は次第に減っていった。
生活リズムも今の所ズレているし、顔を見ない間だけは、心に波風を立てずにいられる。
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