第一章

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その冬一番の寒波が猛烈におそった夜だった。 彼女が… 気づいたみたいなんだ しばらく会うのやめたほうがいいかも…と思うんだけど そう… わかったわ 今夜でやめにしましょ 葵… 最初に決めたでしょ ドロドロとしたのごめんなの。お互いどちらかが気持ちの変化があった時点で―― あるいはバレてしまった時点で終わりよ。 葵…… ⚡パッパーッ⚡ ほら、あんまりタクシーまたせたら… 葵…… クルッ  バイバイ楽しかったわ 葵…… コッ コッ コッ バンッ ブォォ… ヒュー 寒い…う~っ寒いっ  なんでこんなに寒いのよーっ くそっ カンッガッ コロコロ~カランカラン <誰か助けてください>ふと私の目に止まった。 どう見ても大学生 あんた… ワンワン! いぬ? 親は? とくっくの昔に死んだ ふーんかわいそうに。じゃあ、いい人に助けてもらってね。バイバイ… ちょっとーお姉さん助けてよ。ひもじいよ。 悪いけどうち賃貸だからペット禁止なのよ。 大丈夫!またの名はマッチ売りの好青年ともいうよ、おれ!ニコニコ ニコニコ 相手にするのよそうと。
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