近藤 優真 編

2/3
前へ
/35ページ
次へ
携帯のアラームが鳴り響く。 俺はいつもの様に携帯を枕の下に突っ込む。 アラームは常に鳴りっぱなし、仕方なく起き上がり、洗面台に向かう。 寝癖の激しい頭とまだ虚ろな目を擦りながら、鏡のある洗面台の前に立ち、水を出す。 この肌寒い季節には堪えるが、我慢して一気に顔面にかける。 いつもながら思うが、冷たい・・・ お湯を使いたいが、そのまま眠りについてしまいそうになる為、使わない。 ボサボサの寝癖を整えながら、歯磨きをする。 寝癖を整え、歯磨きを終えた俺は作業着に着替え、ココアが入ったカップにお湯を注ぐ。 この一杯が最高と思いながら。 タバコに火を点けた俺はパンを焼き、ゆっくりと食べる。 出勤まではまだまだ時間がある。 すると、携帯が鳴った。 誰だ、こんな朝っぱらから。 画面を見ると地元のダチからだ。 朝から珍しいなと電話に出る。 「もしもし。何?」 「ちぃーす。 朝から、悪いな。 これから、出勤だった?」 この、朝から陽気な男は『新川 透吾』 中学時代からの仲で悪友というか、親友というか、そんな感じだ。 「いや。出勤まではまだ時間あるし。 つか、朝から電話って、かなり珍しくない?」 「そうそう。実は報告がありまして。」 「報告?何?誰か、結婚でもすんの?」 「まあまあ。 結婚話じゃないんだけど、合コンしない?」 「はっ??合コン??」 俺は大事な話かと思って、電話に出たのに合コンと言われ、ムカついた。 「あんまムカつかないでよ~。 相手が最高なんだよ! なんと、保母さんだ~!」 「んで?まさか、俺に参加してなんて言わないだろうな。」 「興味ないのは分かってるけど、今回はマジで参加して欲しいんだよ。 参加する女の子に勢いでイケメンの車の整備士がいるからって、言ってしまい。 だから、頼む!今回だけでいいから、俺の顔を立てて!」 今まで透吾がこんなに頼むなんてなかったな。 たかが、合コンなのに。 でも、断るとうるせーからな。 そう思った、俺は参加する事にした。 「分かったよ。透吾。 今回だけ参加するよ。」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加