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「お前ら、わざわざ、泊まりに来んな!」
合コン前日の夜、皆明日を休みにして、俺の家に泊まりに来ていた。
「いいじゃんかよ~。
こっからの方が新宿近いし。」
「そうそう。たまにはこーいうの有りだな。」
そうそうと話すこいつは『石井 剛』俺と透吾が通った高校からのダチで一年の時から今まで、透吾同様、親友の様な、腐れ縁の様な感じだ。
この三人で学生時代はよく馬鹿ばっかりしていた。
「んじゃ、無事に合コン成功を祈って、かんぱ~~い!!」
透吾がビールを持ち、言う。
俺は透吾にうまく丸め込まれ、結局泊まらせる事にした。
「保育士、最高!!!」
剛が透吾の後から、叫ぶ。
俺は相槌を打ち、乾杯をした。
「あのさ~、優真。
高校の時のアルバムって、まだ持ってる?」
透吾が部屋をちらちら見ながら問い掛ける
「あ~。多分。ちょい待って。
隣の部屋に有ると思うから、探してくるわ。」
俺は隣の部屋でアルバムを探し始めた。
透吾と剛の笑い声に懐かしさを覚えながら。
「アルバム有ったよ。」
押し入れの奥から出てきたアルバムを片手に声をかける。
「マジで!!!見せて、見せて」
透吾がはしゃぎながら、アルバムを開く。「この写真、高一の時の文化祭じゃん!
懐かしいなぁ~。
俺が優真と透吾と出会ったのって、確かこの時だったよな?」
剛が写真を見ながら、学生の時の話をする。
「そうそう。剛のクラスに行って、優真とバカ騒ぎしてたら、剛がガチ切れしてたよな。」
透吾が剛の話に乗っかり、話し出す。
「バカ騒ぎって、あれは透吾が騒ぎ過ぎたんだよ。」
俺達は記憶を辿るように話をしていた。
「どっちにしても、優真と透吾、二人とも悪かった。」
剛がそう言うと、俺と透吾はすまんと一言。
そんな学生話をしていると、透吾が突然叫んだ。
「やっべぇ~~~!!!明日の合コン相手に電話しなきゃ。
ちょい、表に出て来るわ!」
透吾は携帯をズボンのポケットにしまい込み、片手にビール、もう片方にはタバコを持ちながら、表に出ていった。
こいつ、どんくらい話すんだと思いながら。
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