第二章

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「どうする?」 「やめようよこんな事!!全部嘘だよ絶対にドッキリだってば!!」 「でも」 「あの男、死んじゃったしよ!!ドッキリで人殺すか?」 「もうなんで私なの・・・」 「行こう咲」 俺の言葉に咲はえ、と声を漏らした。今のままじゃ駄目だ駄目なんだ 「鐘のなってる場所は多分、教会だ。一軒しかないからまず間違いない」 「なんで、」 「急ぐぞ」 「なんでだよ!」 咲を見ると俺を睨みながら制服の襟につかみかかってきた。 「なんで、んな冷静でいられんだよ!」 ガツンと頭に咲の言葉が響いた。 冷静?こんな状況で冷静でいるなんて無理に決まってるだろうが馬鹿咲 俺は襟から咲の手を離させた。 「俺だって混乱してる、でもあいつ等しか俺達が助かる方法を知らないと思う。だから探すんだよ」 死んでいった犠牲者である男を見下ろしながら俺は俯いた。 この男にも家庭があって家族と笑っていたのかもしれない 恋人がいたのかもしれない もしくは最低な人間だったのかもしれない・・・ でも死んでもいいなんて人間は存在しない筈だ。 「進むんだ 生きるために」 咲は複雑な表情で俺にごめんと謝ってきた。だから俺は笑いながら咲の頭をパシリと叩いてやった。 「よーし行こうか永斗!」 「急いだ方がいいな、なんせ何が起きるかもわからないからな」 「大丈夫だ!なんでもかかってこい精神だから俺!!」 「なんだそれ」 俺は走り出した、ちっぽけな可能性に賭けて。
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