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そっと触れてみると彼女の不安な気持ちが、自分のと混ざり合い、少し楽になっていた。 ただ二人で、寄り添いあい、空を見続けていた。 空は、いつもの夕暮れの茜色には染まらずに、 物悲しいくすんだ赤に染まっていた。 今はもう、僕達にはわかっていた。
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