【独リボッチ】

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ユラユラと風に揺れる君 毎年変らぬ君に対して僕は老いていく 君は毎年生まれ変わり秋に姿を表すから 僕は生まれ変わるなんてことは出来ない 僕が出来るのは 毎年毎年生まれ変わってくる君を最後まで見届けること 毒を持つと言われ独りにされた可哀相な君だから 僕は君に着いてなくちゃいけない 僕が生きているうちに... 可哀相な君を守らなくちゃいけないから 僕に出来るたった一つだけのことだから あの時僕を慰めて優しさをくれた君だからこそ 僕は恩返しがしたい 僕は死んでもまた同じ形には生まれ変われない だから君と同じ姿に変って ずっと君を守ってあげる この命に代えてでも 君は僕を助けてくれた希望の光だから またユラユラと風に揺れる君 ある時に強い風が吹いた 君は死んでいた... ちゃんと枯れることもなく その時僕の命は枯れた... 君の変りに 昔の僕はもうこの世には存在しない 今存在するのは 君の隣りに咲く君と同じ姿の物... もう僕は君を独りにはさせない ずっと君の傍に居てあげる 僕も君も以前は独りぼっちだったから 嫌な想いは切り捨てて 二人の時を永遠に───--・・・
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