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酒場にたどり着くと、そこには賞金稼ぎの仲間がたくさんおり陽気に飲んでいた。
この街の酒場は賞金稼ぎの人がよくたまり場になるが、店の明るい雰囲気、外から見たらファミレスのようなオシャレな空間が独特だった。
「お! レオンじゃねえか! そのようすは……」
「ああ。たんまり貰ってきたぜ! 今日はパーティーだ」
レオンがそう叫ぶと他の仲間の賞金稼ぎ達と陽気な宴が始まった。
ここの酒場の人達は、レオンが賞金首だという事を知っておる。なぜなら皆一度は挑んでいるからだ。
しかし、彼を倒せる者はいなかった。
むしろその後は、同じ仲間として歓迎してくれたのだ。
それからはここが気に入り賞金首を捕まえてお金がたんまり入った時は皆でワイワイ騒ぎ楽しんでいる。
「ウエイター! ビールな」
カインはビールを頼んだ。
「少々お待ちくださーい……はいビールです!」
カインは受け取るとたまらず一気に飲んだ。
「ぷは~仕事帰りの一杯は格別に上手い」
レオンは宴の中、腰にぶら下げている愛用のレジェンディアを見つめていた。
どんな弾も扱うことができ、強度、射出もバッチシだ。レオンはこれによりさらなる強さをもつことができる。
むろんなくても充分強いのだが。
シエルはというと、騒ぎから少し離れた場所で椅子に座り、本を両手で広げて読んでいる。
「……」
相変わらず本に夢中なようだ。なんの本かと思いきや……絵本だった。
かわいらしいというか、だけどいつも何かしら影響されるからたまに困る。
この間なんか――
レオンはシエルが影響された話を思い出し笑いしてしまう。
そんな事にも気付かないシエルは、絵本の世界に入っているのだろう。
これが彼らの今までの生活だった。
こんな賑やかなのが絵本に夢中からか不思議と遠くからシエルは聞こえていた。
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