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…
……
………
………………あ、
……………………痛ってぇ…
瞳を開く、
未だにぼやけた視界だけど、
傾いた世界が見えた。
視界の半分ほどを黒い地面が占めていた。
あ、そうか、
僕、ひかれそうになって…
腕の中でもぞもぞと何かが動く。
あ、猫。
「ミャー」
どうやら、無事みたいだな。
上体を起こし、辺りを見渡す。
あれ?
僕のチャリは?
見渡すがチャリが何処にもない。
僕をひきかけた暴走トラックの、影も形も見えない。
は?
今になって、行き場のない怒りが込み上げる。
「あんの、クソトラック!!下手すりゃ轢き逃げだぞこん畜生!!」
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