幸か不幸か。

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「…それが、何よ」   「あぁ、いや…似合ってます」   実際、少し大きめのブラウスの上に、大きめのパーカーを羽織っただけという彼女の姿は、彼女にあったイメージをぶち壊してくれただけでなく、僕を動揺させるに足るだけの視覚的破壊力があった。   「…ふんっ、見え透いたお世辞をどうも」   そして、さっきより険悪ムード二割増しの視線が僕に刺さる。   「随分と落ち着きがないのね、程度が知れるわ」   ついでに言葉の刺も増してるようです。   「い、いやさ、なんかクラスでの印象と違うから、戸惑ったっていうか…」   しどろもどろで言葉を返す僕。 まぁ最初の一声から、印象は変わってましたけど。 おしとやかなイメージなんてクズ呼ばわりされて吹き飛んだね。   「…で?」   え?   いきなり冷たい目を僕に向ける那倉さん。 「だから、それで?」   「…えぇ、と…どういうこと?」   「だから、それがどうかしたの?」
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