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その日の昼休み、優太と雅章は一緒に食事していた。
そこで優太は雅章に、龍彦の事を話した。
「なぁ雅章、最近たっちゃんに変な態度取ってるんだって?」
優太が雅章の目を見て言うが、雅章は目をそらして「…そんなことない」と言った。
数秒の沈黙の後、優太が口を開く。
「んー…好きな人を取られたとか?」
「違う」
「じゃあ…なに?」
「アイツ…アイツは…俺に無い何かを…アイツは持ってるんだ」
「え?…わりぃ、もう少しわかりやすく…」
「だから…ア…アイツは…いい声してたって言ってんだよ…」
雅章が目を合わせないまま優太に打ち明けた。
「はは~ん、さてはおまえ…たっちゃんに妬いてるのかい?」
「……あぁ……わりぃかよ」
雅章が優太を睨んで言った。
「俺…今まで歌の練習とか…ライブとか…いっぱいやってきたのに…アイツは…俺より歌がうまかったから……」
「雅章、まぁ落ち着けよ。たっちゃんが歌がうまいのは仕方無いよ」
「…?」
優太は龍彦の中学の時の話をゆっくりと始めた。
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