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選曲リストを見ると、古い曲や演歌しかなかった。
歌える曲は、ほんの数曲…
「ど…どうしよ…」
龍彦が再び弱気になろうとしていると、隣の優太がまた話しかける。
「どうした?」
「いや…歌える曲は少しあるんだけど…キーが高くて…声出るか不安…」
下を向いてボソボソ言うと、優太がまた背中を押すように言った。
「失敗してもいいじゃんか。ウマイかヘタか…そんなんどうでもいいんだよ」
「…。」
「要は、伝わるか…伝わらないか…だろ?どんなにうまくてもさ、気持ちが伝わらなかったら、意味ないっしょ」
下を向いていた龍彦が優太の言葉を聞き、徐々に顔をあげていく。
「確かに…
優ちゃん、俺…失敗してもいいから、歌いたい歌を歌うわ!」
「おう。それでいいんだよ」
龍彦は精一杯歌うことを心に誓った。
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