きっかけ

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5分後──。 龍彦の歌が終わったが、未だにバスの中は沈黙を守り続けていた…。 「ハァ…ハァ…」 龍彦は一曲しか歌っていないのに、「全力で走った後」のように全身に汗をかいていた。 その様子を隣で見ていた優太は (たった一曲で、あの量の汗…相当集中してたんだな) と、考えていた。 「ほんと…相変わらず、いい声してるよな」 沈黙を破ったのは将紀だ。 「いや…そんなことない…俺なんかより…まさちゃんの方がウマいから」 「そんなこと無いから。自身持てよ」 「…ん~… …ありがとう…」 龍彦は照れていた為、素っ気なく返した。
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