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ほどなくして、1人の人物が門の前にやってきて李弘に向かって合い言葉をささやいた。
それに従って、李弘は皮の布で慕容風を覆い、彼をおんぶした。
その後2人の護送兵が現れ、彼らと共に牢の出口へと向かった。
途中幾度か声をかけられたものの、特に何か検査をされるわけでもなく、問題なく虎洞を抜け出すことができた。
李弘はわけもわからず虎洞の外に用意された牛車に乗り込み、あわてずゆったりと出発した。
夜の暗闇の中、誰に呼び止められるわけでもなく車で1キロほど進み、そこから2人は徒歩での逃亡を始めた。
車では、車輪の跡ですぐに見つかってしまうからである。
そして2人は現在に至る。
李弘の頭は破裂しそうだった。考えれば考えるほど理解できない。
鉄狼はいったい何をしたのだろうか。
そして、自分はこれからどこに行くのか――
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