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李弘は遠くから鉄狼の姿を見つけ出した。
この三十数人の騎兵隊は慕容風の目の前で止まり、それぞれ馬を下りて礼を行う。
鉄狼は李弘を抱きしめ、力強く彼の肩を叩きながら言った。
「いい子だ!よくやった!」
慕容風は満面赤髭の大男に李弘を指差して言った。
「段秦、こいつに武器を与えてやれ。こいつはかなりの戦力になる。」
段秦と呼ばれた男は「おう!」と答え、李弘に自分の弓矢と刀を渡してくれた。
一行は急ぎ大草原に向かって駆け出した。
李弘は与えられた馬に乗り、鉄狼の後ろにピッタリとついていった。
鉄狼はそれまでとは打って変わって寡黙になり、表情は厳粛そのものである。
李弘は何度か鉄狼に話しかけようとしたが、彼の殺気立った様子にそのつど話を飲み込んだ。
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