~逃亡~

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「ハァ……ハァ……!」   どれくらい走ったのだろう… グリィは無我夢中で走った 何も考えずただひたすら……   「ハァ………ハァ……」   そして倒れ込むように路地に入り座りこんだ   「(お疲れー♪♪)」   座りこんですぐあのもう一人の自分の声がした   「ハァ……ハァ……」   呼吸を落ち着かせようと努力をする   「(大丈夫ー?)」   そんなグリィにもう一人の自分が声をかける   「だ………大丈夫……」   呼吸は落ち着いた しかし、心の方は落ち着かない 血に染まった友人から貰ったナイフと自分の両手…… 言い知れぬ不安と恐怖がグリィを襲っていた   「……これから…どうすれば………」   「(逃げないと君は殺人犯として捕まっちゃうからね♪)」   もう一人の自分はまるで人事のような言いくさだ   「元はと言えば…君がっ…!」   そんな相手に少し声を荒げる  
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