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――また新たに、1年が過ぎようとしていた。
あれから僕は何度と涼の墓を訪れ、他愛のない話をする。
たまに、ユウが訪れる。
相変わらずの笑顔で、僕を゙たぁちゃん゙と呼び踊るユウ。
桜の、中で舞う君。
「――ほら、ユウ」
呼びかけると、ユウは嬉しそうにこちらへ走ってきた。
「なぁに?なぁに?」
嬉しい、勢いの止まらない。
とても生き生きとした表情を見せたユウ。
「やるよ」
「ふ?」
「じっとしとけ」
先日、バイト代が入ったから、ユウにプレゼント。
「……きれい」
「かわいいじゃん」
桜の花びらを象ったネックレス。
――似合うと思ったんだ。
「たぁちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
そのまま、僕は地面に寝転んだ。
よく晴れた青空だった。
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