――天国の狭間で。

2/4
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
  ――また新たに、1年が過ぎようとしていた。 あれから僕は何度と涼の墓を訪れ、他愛のない話をする。 たまに、ユウが訪れる。 相変わらずの笑顔で、僕を゙たぁちゃん゙と呼び踊るユウ。 桜の、中で舞う君。 「――ほら、ユウ」 呼びかけると、ユウは嬉しそうにこちらへ走ってきた。 「なぁに?なぁに?」 嬉しい、勢いの止まらない。 とても生き生きとした表情を見せたユウ。 「やるよ」 「ふ?」 「じっとしとけ」 先日、バイト代が入ったから、ユウにプレゼント。 「……きれい」 「かわいいじゃん」 桜の花びらを象ったネックレス。 ――似合うと思ったんだ。 「たぁちゃん、ありがとう」 「どういたしまして」 そのまま、僕は地面に寝転んだ。 よく晴れた青空だった。 .
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!