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「待てよ、ユウ」
悟ってしまった僕は急に怖くなって。
――手を伸ばした。彼女に触れたくて。引き留めるように。
「大丈夫だから、な?……お前は何も悪くないから…っ!!」
行かないでくれよ。
どこに行くんだよ?
お前はなんなんだよ?
どうして消えちまうんだ?
「ユウ…っ」
目が霞む程の突風と、自らの声すら聞こえない轟音の中。
一人に、しないでくれ。
泣きながら、僕は叫んでいた。
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