I Can Feel Fire

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『ほんま、すまん。 詳しくは俺もわからん…。 トミーがこれから探ってくれる。 お前はどうやって拐われた?』 ケイゴが洋一の包帯で隠された右耳を見ながら尋ねた。 『わかんねぇよ。 歳三ちゃんとこのローラーと揉めて逃げたら、五六人に待ち伏せされて… どうみても、ローラーじゃない奴らに。 そいつらは、なんとかしばいたったんやけど、後から来た三人組に簡単に… クソッ… 思い出しただけでも、腹たつわ。 滅茶苦茶スゲー蹴り喰らって。 気付いたらどっか倉庫みたいなとこで… 《黒蠍》って刺繍した特攻服着た奴らに、俺に蹴りくれた奴がいて、お前の兄貴が邪魔だから手をひかせろって… 何が邪魔なのかわかんねぇし、めんどくせえから、側にあったイットウ官で蹴りくれた奴のどたまカチ割ってやったんだわ。 そしたら、そいつ血流しながら、ニヤリ笑ってなんのためらいもなく、飛び出しナイフで耳削ぎやがった…。 いかれてやがるよ。 あんな奴等とどんな関係があんだ? 兄貴… 俺が兄貴の盾になってやるよ。』 ベットから起きようとする洋一を慌て押さえつけて、 『洋一、お前の仇は俺がきっちりとるから、お前は我慢してくれ。』 『兄貴よぉ 俺達兄弟だろ。家族だろ。』 『だからだ… 親父が長くねぇ。 側にいてやってくれ。』 『長くねぇって…』 『あぁ、末期らしい。手のほどこしようもないらしい。』 『あの親父が…』 洋一は全身の力が抜けるのを感じた。
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