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『だいたいつかめましたよ。』
『わりぃなヨシオちゃん。』
『ジョニーですよ。本名はだせぇから、やめて下さいって…』
自慢のとさかリーゼントを振り乱して、ジョニーがすねる。
トミーが笑う。
『何が可笑しいんすか。』
『いやいや、わりぃわりぃ。しかし、鼻のガーゼ、似合ってるぜ。』
ジョニーは数日前、洋一に鼻を潰された、あのとさかだ。
『笑い事やないですよ。あれから3日鼻血は止まらんし…おまけに痔でしょ。
上下ですわ。
女にゃ逃げられるわ、後輩には馬鹿にされるわ…
踏んだり蹴ったりですよ。
そやのに、なんで俺があのガキのために[黒蠍]の情報集めなきゃなんないんですか?
いくら、トミーさんの頼みでも、これっきりにして下さいね。』
納得いかない顔でジョニーが煙草をもみ消す。
『そう怒るなって。
これは、洋一のためというより、俺の問題なんだわ。
俺の兄貴の弟を、守れない、自分に腹たつんだわ。』
トミーの真剣な呟きにジョニーも貧乏揺すりをやめた。
『わかりました。あのガキだけは、いずれ、おかえししますよ。
ところで、[黒蠍]
少々、厄介ですよ。』空気が変わったのをきっかけに、ジョニーの顔が戦闘モードに変わった…
鼻のガーゼをのぞけば…
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