DIRTY BOY

2/7
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
『だいたいつかめましたよ。』 『わりぃなヨシオちゃん。』 『ジョニーですよ。本名はだせぇから、やめて下さいって…』 自慢のとさかリーゼントを振り乱して、ジョニーがすねる。 トミーが笑う。 『何が可笑しいんすか。』 『いやいや、わりぃわりぃ。しかし、鼻のガーゼ、似合ってるぜ。』 ジョニーは数日前、洋一に鼻を潰された、あのとさかだ。 『笑い事やないですよ。あれから3日鼻血は止まらんし…おまけに痔でしょ。 上下ですわ。 女にゃ逃げられるわ、後輩には馬鹿にされるわ… 踏んだり蹴ったりですよ。 そやのに、なんで俺があのガキのために[黒蠍]の情報集めなきゃなんないんですか? いくら、トミーさんの頼みでも、これっきりにして下さいね。』 納得いかない顔でジョニーが煙草をもみ消す。 『そう怒るなって。 これは、洋一のためというより、俺の問題なんだわ。 俺の兄貴の弟を、守れない、自分に腹たつんだわ。』 トミーの真剣な呟きにジョニーも貧乏揺すりをやめた。 『わかりました。あのガキだけは、いずれ、おかえししますよ。 ところで、[黒蠍] 少々、厄介ですよ。』空気が変わったのをきっかけに、ジョニーの顔が戦闘モードに変わった… 鼻のガーゼをのぞけば…
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!