Ready Steady Go

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あの暑い夏に程遠い現実に俺は取り残された… 忘れたくて忘れられない陰に立ち止まった俺は真(まこと)の手を曳いて遠くで手をふる悦子のもとへ進む 三歳の真の手は迷いなく俺を頼ってしっかり握られている 悦子にしたって俺達二人しか眼中にない屈託のない笑顔だ まるで遠い日にすべてがなろうとすればするほどこの幸せにすがり付いていたいと思う当たり前の光景に俺の肩は少し震えた 誰しもが通った事のある しかし俺達しか通る事が赦されない熱く激しく哀しい時代の話をこれから少ししよう。
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