DIRTY BOY

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海岸沿い… 海岸といっても油とゴミにうめつくされた、すえた匂いの沼地みたいな泥浜 そのはずれにある喫茶店に倉田はいた。 どす黒い海を眺めながら、少し昔を思い出してた。 倉田のチーム『悪霊』は 隣の空港建設予定地域の暴走族。 メンバー約七十人にもおよぶ、群雄割拠する、ここいらでは大型チームであった。 『黒蠍』の町田とは、小学校の頃から、少年空手のライバルであった。 勝ったり負けたりを繰り返し、二人して選抜選手に選ばれたりもした。 倉田は肘の骨折、 町田は仲間をかばっての障害事件で、挫折した。 そんな二人を、運命はまた、結びつけた。 暴走族という寂しい奴等の吹き溜まりの大将という立場で。 倉田は苛立っていた。最近、耳にするのが、『黒蠍』の悪い噂だ。クスリに手を染めて、やりたい放題の、極悪チーム… 事の真相を訪ねようとこの喫茶店に町田を呼び出したのだ。
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